ここ数年、車中泊への注目度が高まっています。
車中泊文化は1980年代のレジャーブームの頃からあ、2000年代初頭に沸き起こったミニバンブームではSA・PAや道の駅で車中泊を楽しむ人が増加。当時車中泊を楽しんでいたのは年配者やお子さんが多いファミリーでした。
ところが現在ではカップルや女性同士で車中泊を楽しむ人も増え、SNSで「#車中泊」というハッシュタグをつけて自分たちの車中泊スタイルをアップしています。
コロナ禍では密を避けながら旅を楽しみたい人が車中泊を選択するケースも。
車中泊を楽しむためのクルマといえば、キャンピングカーやポップアップルーフ付きの車中泊カーが王道。ミニバンや軽ハイトワゴン用のベッドキットも数多く販売しています。
一方で、自分のクルマをカスタムしたり、カスタムショップのキットを手に入れることに敷居の高さを感じる人もいるはず。でも大丈夫。昨今の車中泊ブームにより、自動車メーカー各社は純正アクセサリーで車中泊キットを用意するケースが増えているのです。
国産車の純正アクセサリーは比較的安価でクルマへの加工が必要ないものが多いので、メインはあくまで普段使いで車中泊はライトに楽しみたいという人も選びやすいはず。浮いた予算で車中泊の車内をデコレーションすることだってできます。
ビギナーでも気軽に車中泊を楽しめる、純正キットが用意されたモデルを紹介します!
1. シトロエン ベルランゴ
発売と同時に、これまで輸入車に注目していなかった人もディーラーに殺到。大ヒットモデルとなっているシトロエン ベルランゴ。広い車内とゆったり座れるシート、ルーフやラゲッジ上にさまざまなものをしまえるモジュトップ(MODUTOP)など、アウトドアでも便利に使えるフレンチMPVです。
そんなベルランゴに、リアシートを倒してベッドスペースを作れるベッドキット(22万9900円〜25万4100円)が純正アクセサリーとして登場しました。
RVランドコンセプトとのコラボで開発されたベッドキットは、約1分で収納・展開できる簡単設計で、車体側を一切加工することなく使えるようになっています。
走行時はベッドを収納棚として使え、ベッド使用時もベッド下に270mmの空間が用意されているので荷物の置き場所にも困りません。
ベッドのカラーはオプションも含め全22色用意されているので、内外装のカラーに合わせて好みで選ぶことができます。
同じく純正アクセサリーで用意されるカーサイドタープ(9万5000円)と組み合わせれば、気軽に快適な車中泊キャンプを楽しめます。
2. ホンダ フリード/N-VAN
ホンダはステップワゴン、フリード、N-VANで使える車中泊アクセサリーをホンダアクセスから発売しています。この中で注目なのはフリードとN-VAN。
フリードは前身となるモビリオからロングホイールベース設計で、コンパクトなのに室内長が長い構造を採用。そのため車中泊車としての需要が高いモデルになっています。
そのメリットを生かしたアクセサリーもいろいろ用意されています。車中泊に使えるラゲッジクッションマット(2万2000円)もそのひとつ。これはフリードの2列シート車(フリード+)に設定されている荷室用ユーティリティボードの上に敷くマットで、リアシートを倒すと車内をベッドとして使えるようになります。
同じ純正アクセサリーのプライベートシェード(4万1800円)やスライドドアウインドウメッシュ(1万2100円)と組み合わせると、アウトドアでの快適性を高められます。
N-VANはその圧倒的な室内空間から、ビジネス用途だけでなくレジャー用途でも人気が高いモデル。それを見越してホンダはデビュー時からフィッシング、自転車やバイクの積載など趣味に使える純正アクセサリーを用意しました。車中泊もそのひとつ。
助手席背もたれを前に倒し、オプションのマルチボード(ラゲッジ用:7万950円、リア用:3万1900円)を設置すると、大人が横になれるスペースが出現。その上にマットを敷けば、シュラフでゆっくり寝られます。
マルチボードの横幅は約108cmあるので運転席の背もたれも倒せば2人で寝ることも可能。ただ、運転席側は凹凸が生まれるので基本はソロ用と割り切った方がいいでしょう。
テールゲートメッシュも取り付けると夏場でも快適に過ごせるようになります。
3. スズキ エブリイ/エブリイワゴン
軽キャンピングカーのベース車両として人気のあるエブリイ&エブリイワゴンには、アウトドアで使えるアクセサリーが豊富に用意されています。中でも注目は純正の2段ベッドセット(合計20万2400円)。
▲ベッドキット
ベッドキットはラゲッジと畳んだ後部座席に取り付けるため、ほとんどが大人2名で使う形になります。エブリイワゴンのベッドセットは上下2段になっているので、乗車定員の4人で車中泊することができます。
▲ベッドマット
▲乗降ボード
このセットはベッドキット、ベッドマット、助手席背もたれ裏に設置する乗降ボードのセットで、使わない時は荷室にフラットに収納可能。荷物が多いときも邪魔にならない設計になっています。
オプションのベッドクッション(3万5200円)を追加すればより快適に眠れるように。
また、メッシュ付きのプライバシーシェード(フロント:2万4200円、リア:2万7500円)やプライバシーカーテン(2万1505円)、カーテン(4万480円)などを組み合わせて人が多いSAやPAでの居心地の良さを高めたり、釣りや自転車に使えるアクセサリーで趣味の使い勝手を良くすることも可能です。
4. 日産 セレナ
日産はセレナ、NV200バネット、NV350キャラバンに、マルチベッドという特装車を設定しています。NV200とNV350はキャンピングカーのベース車としても人気が高く、アウトドアをヘビーに楽しむ人からも人気が高いモデルです。
でも基本は街乗りで、時々車中泊を楽しみたいと考えているなら、セレナのマルチベッド(323万1800円〜)がおすすめ。
日産の特装車製造部門であるオーテックが開発したモデルで、3列目シートを外しラゲッジがベッドスペースに架装されています。2列目席をリクライニングしてマットを敷くと、215mmの長さがあるベッドスペースに。ベッドの幅も1310mmあるので、大柄な人が2人寝ることも可能。子供が小さければ家族3人で寝ることだってできます。
ベッドを使わない時はマットをラゲッジに重ねて積み、2列目シートを起こせます。シート、ベッドともに防水仕様で、ラゲッジは撥水性に優れたロンリューム張り。そのため、アウトドアで雨に降られたりしても濡れることを気にせず使えます。
セレナはバックドアのガラス部分だけを開閉できるデュアルハッチを採用していますが、ガラスハッチの開口部とベッドの高さがほぼ同じなので、車内で寝ながら開放感を味わえるようになっています。
ガソリンエンジンとe-POWER、標準仕様とハイウェイスター、それぞれにマルチベッドが用意され、ボディカラーも3列仕様と同じように選択可能。家族で気軽にアウトドアを楽しみたい人にぴったりの車中泊仕様車です。
5. トヨタ ノア/ヴォクシー
トヨタはハイトミニバンのノアとヴォクシーにモデリスタが手がける特装車“MU” (マルチユーティリティ)をラインナップしています。
3列目シートを外し2列5人乗り仕様にしてラゲッジのユーティリティ性能を高めたモデルで、ラゲッジは木目調フロアになっていて、濡れたものや汚れたものを積んでもさっと拭けるように。さらにラゲッジにはアウターなどをかけておくのに便利なハンガーフックも付いています。
そんなMUには専用オプションとしてマルチユースボード(13万2000円)が用意されています。2つのボードがセットになり、ラゲッジにぴったり収まるこのボード。2列目シートを倒すとフラットなベッドスペースが出現。そこに同じくオプション設定されているエアスリープマット(2万2000円)を敷けば、のんびり車中泊を楽しめます。
マルチユースボードを車外に出せばテーブルとして利用可能。脚は高さ調整ができるので、ロースタイル/ハイスタイルどちらでも使うことができますよ。
<文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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