冬のキャンプで快適に寝られ災害時の備えとしても使える寝袋(シュラフ)4選

<不自由を自由にする野営スタイル>

「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。

皆さん、冬キャンプを楽しんでますか? 今回はこれから冬キャンプに挑戦したい方必見! 冬キャンプで使える寝袋を紹介していきたいと思います。冬キャンプでも快適に寝れるということは防災グッズとしても重宝するので、防災時の寝袋を探している方にも役に立つかもしれません。

先日、最低気温-3℃くらいの時にタープ泊をしたのですが、朝起きたら寝袋がだいぶ結露していて、愛用している寝袋のスペックが生かしきれなかったことがありました。

最近はもっぱら軍幕をフルオープンして寝ることが多かったので、あまり結露が気になったことはなかったのですが、久しぶりにタープ泊をしたら、タープも寝袋も結露でびちゃびちゃになっていたのです。

その時使っていた寝袋は、モンベルの「ダウンハガー800 #0(ラインナップが新しくなって現在は販売されていません)」というモデルで、快適温度-10℃。限界温度-18℃という寝袋なので、最低気温-3℃は余裕のはずなのですが、明け方、若干寒かったのです。この寝袋は、撥水加工は施されているのですが防水ではありません。なので本来は防水シュラフカバーを被せて結露対策をして使うのですが、被せるのを忘れていたため上記のようなことが起きたのです。

そんな経験を踏まえ、冬キャンプを快適に過ごせる寝袋ってなんだろう? と改めて思ったので、今回は冬キャンプに必要な寝袋のスペックのおさらいと、結露はどうして起こるのか? そして4つの冬用寝袋を比較して、用途ごとにおすすめの寝袋を紹介します。

■冬キャンプに必要な寝袋のスペックは?

冬キャンプに必要な寝袋のスペックは、ざっくりいうと自分が行くキャンプ地の最低気温マイナス5℃くらいの快適温度の寝袋。

寝袋にはそもそも、快適温度(コンフォート温度)と、限界温度(リミット温度)が設定されています。限界温度は、その寝袋で震えながらもなんとか過ごせる、という温度なので、よっぽど自分を追い込みたい人以外は参考にせず、快適温度を確認してください。

例えば、私が愛用しているモンベルのダウンハガー800#0は、5℃程度ならぬくぬく寝られて、-10℃くらいまでは比較的快適に寝られるということになります。

また寝袋を選ぶときは、最低でも撥水、できれば防水の生地で外側が覆われている寝袋だと、結露からダウンを守れます。寝袋が防水でなくても、シュラフカバーをすれば大丈夫ですが、その分、お金と重量が増します。笑

■結露はどういう時に発生する?

結露は寒暖差が多いと、発生しやすくなります。テント内が暖かく、外が寒い状態だと、放射冷却により空気中の水分が冷やされ結露となります。

テントの構造や素材によっても異なりますが、軍幕は通気性のあるコットン生地のため、結露が滴り落ちて寝袋が濡れるようなことはほとんどありません。一方、ナイロンやポリエステルのような化繊で、かつ防水加工が行き届いている生地のテントは、この寒暖差による結露が発生しやすくなります。

つまり、冬キャンプにおける寝袋には、暖かさはもちろん、結露対策も欠かせないのです。

■軽量で暖かくて伸縮性が魅力!

モンベル「ダウンハガー800#0」は、私が愛用しているモデルです。

快適温度:-10℃
限界温度:-18℃
重量:1.2kg
収納サイズ:19×38cm
撥水加工

この寝袋で冬キャンプのほとんどを過ごしてますが、寝袋自体が濡れなけば、-10℃くらいまでなら快適に寝れます。

いいところは、軽量なのに、暖かくて、さらに伸縮性があるため、マミー型(足の方が狭くなっていて、ミノムシみたいな型)でも足を結構広げられ、本当に気持ちよく寝れます。

冬や秋の登山や、バックパックキャンプをやり、なるべく軽量な寝袋を選びたい人におすすめです。ただ、防水ではないので結露には気をつけましょう。

結露対策としてシュラフカバーをするか、コットン素材やT/C(コットンポリエステル)生地のテントで寝る人は良いと思います。ただしコットン素材のテントは重いので、痛し痒しです。

撥水加工は施されているので、多少水をこぼしても弾きますが、結露で一晩中水滴が垂れてくるような場合は、浸透します。

■寒さに強いモジュール式の寝袋


アメリカ軍モジュラーシステム寝袋は、夏用、冬用ダウンの寝袋と、ゴアテックスのシュラフカバーを合体させて使える寝袋です。

快適温度:不明
限界温度:-34℃
重量:4.3kg
ゴアテックスカバー

この寝袋は、夏用(グリーン)、冬用(黒)、ゴアテックスシュラフカバー(迷彩柄)の3層構造になっており、本当に暖かいです。むしろ、-5℃くらいで、3枚使って全部閉めると暑いくらいです。

私が知る限りでは、寒さには最も強い部類の寝袋です。米軍が使っていただけあって、大きくて広々寝れるので、マミー型が窮屈で苦手という人にもおすすめです。

ゴアテックスカバーがあるので、顔さえ濡れないように工夫すれば、テントがなくても寝れます。ただ、デメリットもあります。3層構造のため、全部のジッパーやボタンを閉めて寝たり、起きる時開けるのが面倒です。また、基本的にデッドストックのため、状態の良いものが手に入るかわからないところもあります。そして何より、重くて大きいので、オートキャンプなら持っていけますが、バックパック担いで行くようなキャンプには向きません。

重量があるので、オートキャンプでの使用を想定している方、車の積載に余裕がある方、寒がりさん、-20℃などの極寒キャンプがしたい方。ミリタリーギアを愛してやまない方、防災用にとにかく極限状態に使えるものをお探しの方におすすめです。

一番内側が緑(夏用)、中間に黒(冬用)、外側にシュラフカバー(迷彩)と3層構造。ゴアテックスだけあって、表面の水はじきは完璧です!

■寝具メーカーが作ったミリタリーシュラフ


寝具メーカーが作ったミリタリーシュラフが、カリンシア「ディフェンス6」。ダウンではなく、独自の中綿“G-LOFT”という綿を使用。

快適温度:詳細不明(記載なし)
限界温度:-39℃
重量:2.8kg
撥水加工(綿も撥水)

この寝袋は、今回チョイスした中で唯一のダウン素材でないもの。大きさや重量面では不利ですが、水に強くて暖かい寝袋です。快適温度は不明なものの、下限温度-20℃、極限温度-39℃と、今回チョイスした中では最強の限界温度です。また、ジッパーの位置が通常の寝袋は体の横にあるのに対して、これは寝たときに胸の上にくる位置にあるので、開閉が非常にしやすいのがポイントです。

ダウンと比較すると、重くはなるので、バックパックキャンプには向きませんが、オートキャンプなら最高レベルの寝袋だと思います。防水性も高く、綿にも撥水加工をしているので、結露が心配される場合でも寝袋が濡れて保温力が下がる確率がダウンと比較すると非常に低く、ダウンよりも乾きが早いため、万が一濡てしまっても保温力の復帰が早いのが特徴です。

濡れても生地に染み込むことはなく、表面に水滴が浮いたまま。

■寝心地抜群の山岳用寝袋


寝心地は抜群なのが、国内ブランド、ナンガの「オーロラ900DX」。

快適温度:-10℃
限界温度:-19℃
重量:1.55kg
収納サイズ:22×34cm
防水加工

この寝袋は寝心地抜群で、包み込まれる感がNo.1 ! ナンガの良さは身に染みているのですが、何といっても一番いいのはジッパーの開閉が本当にスムーズなところ。マミー型の寝袋は、ジッパーの開閉でダウンを噛んでしまって開け閉めがしにくい寝袋って本当に多いのですが、ナンガは今まで不便を感じたことが一度もありません。

さすがに山岳用寝袋として、国内トップクラスの認知度を誇るだけあって、品質は最高級です。軽量で、コンパクトになり、寝心地も最高。モンベルのダウンハガー800#0と比較しても足が窮屈と感じることはあまりありません(私は身長173cm80kg)。

持ち運びが多く、バックパックキャンプや秋、冬の登山でのテント泊を行う人、この1枚で全てを完結させたい人にはぴったりな寝袋だと思います。防水も、結露が心配されるところでも十分に安心して寝られるレベルで、シュラフカバーなしでもまったく問題ありません。

垂らした水がつつーっと、流れていきます。良い感じの防水です。


真ん中がモンベル、右が米軍のモジュラー、左がカリンシア。カリンシアとモジュラーはコンプレッションをしてこのサイズですが、モンベルは何もしていない状態です。

今回写真はありませんが、ナンガは収納サイズが22×34cmで、モンベルの19×38cmと似たようなボリューム感になります。

今回の4モデルは、私が知っている寝袋の中ではTOP4に入るだろう、防寒、寝心地、使いやすさを兼ね揃えた寝袋です。

それぞれに長所短所はあるかと思いますが、バックパックでキャンプや登山に行くなら、モンベルかナンガ。オートキャンプなら、モジュラーやカリンシア。ちなみにまだ試していないのですが、モンベルは新しくシームレスダウンハガーというモデル、ナンガはLEVEL8という最高峰の冬用寝袋を出してますので、そちらも要チェックです。

冬用の寝袋はどうしても高価になりますが、安全かつ寒さを気にせず寝るためには不可欠です。冬用の寝袋をゲットして、または新調して、快適な冬キャンプライフを楽しんでください!

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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