暖かさ抜群!冬の定番アウトドアブランドのダウンアウター5選

【2021FW 最新アウトドアアウター④】

冬に欠かせないアウターといえばダウンウエア。

ですが「詰め物(インサレーション)の入っているアウター」=「ダウンアウター」と思っていませんか?

モコモコの詰め物入りウエアがすべてダウンウエアなわけではなく、中わたに本物のダウン(羽毛)を使っているものがダウンアウターになります。化学繊維による中わたを使用しているものは、インサレーションアウター(他にも呼び方はあります)です。

また、ダウンウエアの詰め物にはダウンとフェザーが使われていて、品質タグをみると「ダウン◯◯%、フェザー◯◯%」と表記されていますが、これには理由があります。

ダウンというのは水鳥の羽根と羽根の間に生えている丸い球状になった綿毛(ダウンボール)のことで、タンポポのようにふわふわと芯軸がないものを言います。このダウンの量が多いほど保温効果が高くなります。

そしてフェザーは芯軸のある羽根のこと言い、弾力性を持っています。

これらダウンとフェザーを混合させることで、保温性と弾力性を両立させているんです。動きのあるアウターでは、弾力性があることでダウンの保温効果を長くキープできることになります。

このようなダウンを詰めたアウターは軽くて暖かいことから、登山などのアウトドアでは天然の高機能素材として昔から愛用されてきました。

そんな天然の高機能素材であるダウンを使ったアウトドアブランドの最新アウターを5つ紹介しましょう。

 

1. 着ているのを忘れるような軽さとシュラフのような暖かさ

ナンガ × グラミチ
「ダウンプルオーバージャケット」(2万7500円)

ダウンシュラフで有名な日本のアウトドアブランド、NANGA(ナンガ)。最近では、そのクオリティの高さから、キャンパーを中心にアパレルでも高い評価を得ています。そんなナンガと、クライミングパンツから始まり今ではアパレルブランドとして人気のGRAMICCI(グラミチ)がコラボ。

表地と裏地には環境へ配慮した軽くて丈夫な“10デニール リサイクルナイロン ミニリップストップ”を使い、ナンガの軽量かつ保温性に優れたダウンを封入。まるで着ている事を忘れそうなほど、軽くて暖かいダウンアウターが生まれました。

ナンガの高機能ダウンのノウハウが、グラミチとのコラボにより街でもアウトドアでも着用できるデザインに落としこまれているのも魅力です。薄手で少しゆったりめのアノラック型のシルエットは、アウターとしてもミドラーとしても楽しめます。

左脇には、着脱しやすくするために身頃の半分を超えるほど開くファスナーを備え、さらにフロントにはスナップボタンを使用し、アノラックフーディの弱点である着脱しにくさを補っています。

袖口はストレッチテープでバインディングすることで外気の侵入を防ぐ仕様に。また、フード口や裾にはゴムスピンドルが通っているので、簡単に衣服内の温度、湿度をコントロールできます。快適な着心地と高いクオリティを実現したコラボアイテムです。カラーはPIRATE BLACK、ICELAND POPPYの2色展開。

>> グラミチ

 

2. トレンドに左右されないタイムレスなブランド力と王道デザイン

パタゴニア
「メンズ・フィッツロイ・ダウン・フーディ」(4万9500円)

寒冷地でのアルパインクライミング用にデザインされた「メンズ・フィッツロイ・ダウン・フーディ」。今シーズンはさらに軽量コンパクトになりました。

冬の山歩きなど幅広いシーンで着用できる中厚のダウンフーディで、生地には20デニールのリサイクル・ナイロンを、ダウンには“800フィルパワー・アドバンスト・グローバル・トレーサブル・ダウン”を使用しているため、軽量でありながら高い保温力を実現しています。

“トレーサブル・ダウン”とは、強制給餌や生きたまま羽毛採取が行われたものでない、鳥から供給されたことが保証されている追跡可能なダウンのこと。“SDGs”や“サスティナビリティ”という言葉が浸透する前から、環境配慮や動物福祉の取り組みを進めるパタゴニアならではの素材です。

大きく作られた左前身頃の内ポケットは、入り口に伸縮性があり、出し入れしやすく飛び出しにくいという特徴が。表地には撥水効果の高いDWR加工が施されているため、水滴からダウンと身体を保護してくれます。

また未使用時には、左側のフロントポケットにしまえるパッカブル仕様になっているので、昼と夜とで寒暖差の激しい時期にも活躍してくれますよ。カラーはHot Ember、Black、Smolder Blue、Dark Borealis Greenの4色展開。

>> パタゴニア

 

3. 重さ365gで850フィルパワー!

アークテリクス
「アグリウム フーディ」(4万4000円)

「地球上にある最高の素材、最高の技術、革新的なデザインで製品を作る」ことをコンセプトとしたアークテリクスが新しく打ち出したのは、サスティナビリティを追求しながらも最大のパフォーマンスを発揮するダウンジャケット。

重さ365gと驚異的な軽さながら並外れた保温性が特徴で、“850フィルパワー ヨーロピアンホワイトグースダウン”を使用し、濡れやすい部分にはインサレーションを施して保温性を確保しています。ダウンは動物福祉に関する基準をクリアした証であるRDS(レスポンシブル・ダウン・スタンダード)認証を受ているなど、環境に優しく高機能というこれからのアパレル業界を象徴するような新世代ダウンジャケットです。

機能性だけではなく、洗練されたデザインとシルエットもポイント。細身のシルエットは体型を綺麗に見せてくれて、さらにミドラーとしても使えます。オールラウンドで使える耐候性能などの優れた機能と素材、そしてパッカブル仕様と、日常だけでなくキャンプや旅行などさまざまなシーンに持っていきたくなる魅力があります。カラーはTatsu、Blackの2色展開。

>> アークテリクス

 

4. 街にもフィールドにも似合うシンプルデザイン

フォックスファイヤー
「コンクエスターダウンジャケット」(2万9700円)

1982年に4型のフライフィッシングベストからスタートした日本ブランド、Foxfire(フォックスファイヤー)。日本人の体型や環境を考慮したものづくりなどに定評のあるアウトドアブランドです。

この「コンクエスターダウンジャケット」は、米国アライド社精製の650フィルパワーの“アライドグースダウン”を180g使用。180gというのは冬キャンプなどにも対応できる量で、見た目だけでなく実際の暖かさも相当なものだということがわかります。取り外し可能なフードにより、アウトドアでも街でもシーンやスタイルに合わせて着こなしを楽しめるのもポイントです。

表地にはマットな質感の“ウーリータフタ”を使用。撥水性があり、水に弱いダウンを守ってくれる効果があります。

メインファスナーには前立てがないので着脱しやすく、胸ポケットには縫い目の目立たないコンシールファスナーを使用するなど、シンプルなデザインで誰もが着こなしやすいボリューム感のあるダウンジャケットになっています。カラーは、ブラック、ネイビーの2色展開。

>> フォックスファイヤー

 

5. 難燃・防水・防風の三拍子そろったダウンアノラック

スノーピーク
「Fire Resistant 2L Down Long Pullover」(5万2800円)

最近急増中の難燃アイテムを数多く手掛けるスノーピークの新作は、アノラック型の難燃ダウンアウター。

ダウンには、濡れても保温力が落ちにくい800フィルパワーの撥水ダウンを使用。表地には難燃繊維である“アラミド”と“リップストップポリエステル”を混紡した生地になっています。さらに裏側には、軽くてしなやかで、最高レベルの透湿防水性と防風性、低結露性を備える東レ“DARMIZAX(ダーミザクス)”をラミネート。湿度に弱いダウンの弱点を補いつつ、キャンプでは焚き火を堪能できる1着になっています。

着丈は長めで、座った時でも腰回りまでカバー。キャンプはもちろんタウンユースでも使いやすいワントーンのカラーリングも魅力です。

胸元にはカラビナでライトやポーチを取り付けられるループを装備。斜めに設置されたフロントジップは片手でも開閉しやすい仕様に。また、収納力に優れた右胸のポケットは、内側にさらにポケットを付けてスマホなどが入れやすくなっています。

また両脇のポケットは内側に起毛素材を使いハンドウォーム仕様にするなど、冬キャンプにもぴったりのダウンジャケットです。カラーはグレーカーキ、ブラウン、ブラックの3色展開。

>> スノーピーク

*  *  *

少し前までは、ダウンは「軽くて暖かいけれど雨や湿気に弱い」と言われてきました。しかし最近は、ダウン自体に撥水加工を施したものや防水効果の高い表地もの、縫い目を極力減らしたものなど、ダウンの欠点をカバーするウエアが増えてきています。

透湿防水素材や縫製技術の進化などによって、天気など環境を気にせずダウンを着られるようになってきたのはうれしいですよね。

手入れが面倒そうだなとダウンアウターを食わず嫌いしていた人も、ぜひ一度ダウンの暖かさを体験してみてはいかがでしょうか。羽織った瞬間に暖かさを感じられるのはダウンぐらいですよ。

>> 【特集】2021FW 最新アウトドアアウター

 

<取材・文/宇田川雄一 メイン写真/野町修平(APT)>

宇田川雄一|スタイリスト。大学卒業後、アシスタントを経て2008年フリーに。モノ誌やWeb媒体を中心に、広告、PVなど幅広く活動。メンズのビジネススタイルを得意とし、雑貨、インテリアなどライフスタイル全般にわたってスタイリングしてきた経験を生かし、執筆も行っている。

 

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