AR未体験者が8割強。アクアスターの調査から見るAR普及へのカギ

近年、現実世界の一部に仮想の情報を重ねるAR技術は、ゲームや医療、建築などさまざまな領域で活用されています。総務省の「令和2年情報通信白書」によると、2022年のAR・VR関連ソフトウエアおよびサービス支出は16.7億ドルと予想されていて、今後市場拡大が見込まれるもののひとつです。

そこで、ARコンテンツなどの企画・制作を手がける株式会社アクアスターは、2021年10月13日~15日の期間に、全国の男女400人を対象としたARコンテンツに関するインターネット調査を実施。ARの普及状況やユーザーの興味を引くARコンテンツなどについて結果をまとめています。

未体験者8割以上。体験者には好印象

同調査では、ARコンテンツの体験の有無を尋ねたところ、81.5%が「体験したことがない」と回答。「ポケモンGO」やARナビアプリ、ECでの製品のAR表示など、一般ユーザーが使いやすいARコンテンツが普及する中で、これは少々意外な結果となりました。

しかし、ARコンテンツを体験したことのある18.5%(74人)に、体験した際の気持ちを聞いたところ、「楽しかった」「次も使ってみたいと思った」などポジティブな回答が多数という結果に(複数回答)。このことから、ARを実際に使ってもらえればその良さを感じてもらえると解釈できるでしょう。

また、ネガティブな回答としては14.9%が「使い方がわからなかった」と回答。これに関しては、操作性の改善などにより、ポジティブな印象への転換の余地があるかもしれません。

個人情報を使うコンテンツには慎重?

では、ユーザーが使いたいと思うARコンテンツはどのようなものなのでしょうか。同調査では、同社が開発する「ゲーミングAR」「スキャンAR」「3DメッセージAR」などのARコンテンツの中から、体験したいものを尋ねています(複数回答)。

結果、全体の1位は「ゲーミングAR(29.0%)」、2位は「お絵描きAR(22.3%)」、3位は「ワープAR(20.8%)」となりました。逆に割合が低かったのは、「GPS AR」「フェイスチェンジAR」「タレントフォトAR」など、顔や位置情報など個人情報を使用するコンテンツとなっています。

しかし、年齢や性別ごとに見ると、10代男性では「GPS AR」が1番人気で、女性の10~20代では「タレントフォトAR」の割合が多くなったようです。

アプリのインストールに消極的

ARを体験する際、専用アプリをインストールする必要がある場合があります。そこで同調査では、上記の質問で“使ってみたい”と答えたコンテンツを体験しようとしたときに、アプリのインストールを求められたらどうするかを聞きました。

すると、75.8%が「インストールしたいと思わない」と回答。その理由として、「余計なアプリを増やしたくないから」「インストールするのが面倒だから」「デバイスの容量を増やしたくないから」などが多く見られました。

これらの結果から同社は、ARコンテンツの普及へのカギは、“まず体験してもらうこと”と捉えたようです。そのためには、シンプルな操作性の実現やWebARなどインストール不要のコンテンツ開発などが重要だとしています。

PR TIMES

(文・Higuchi)


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