不動産取引サービスを提供する韓国の不動産テックスタートアップのZigbang(ジグバン)は現地時間1月27日、Samsung SDS(サムスンSDS)のホームIoT(internet of things)部門を買収し、スマートホーム業界へ進出すると発表した。
Samsung SDSは、傘下唯一のB2C事業であるIoTスマートホーム部門を売却し、B2Bに集中する。同部門の主な製品は、ユーザーのスマートフォンに接続するデジタルドアロックやウォールパッドなどだ。Samsung SDSは2016年、IoTスマートホーム部門をアイルランドのAllegion(アレジオン)に売却しようとしたが、合意に至らなかったと報じられた。
IoTはどうしても利幅が薄く、簡単なビジネスではないため、長期にわたり業界にとどまりたいプレイヤーは、より多くのスケールメリットを求めてライバルをすくい取っていく。
Zigbangは、IoTスマートホーム事業を買収することで、技術的なシナジーを生み出し、市場シェア拡大を狙う。
「Zigbangの住宅コンテンツとSamsung SDSの住宅IoTハードウェアを組み合わせ、私たちはスマートホーム市場に革命を起こします」とZigbangのCEO、Sung-woo Ahn(スンウー・アン)氏は声明で述べた。
同社のSunwoong Lyuh(スンウー・リュー)副社長はTechCrunchに対し、Samsung SDSのIoT部門は現在16カ国以上で堅実な収益を上げているため、今回の買収により、Zigbangは世界のスマートホーム市場に参入し、成長を加速させることができるだろうと語った。
1月27日に買収契約を締結したZigbangは、2022年第2四半期の買収完了を目指すとリュー氏は述べた。同社は、買収取引の評価額についてはコメントを避けた。メディアの報道によると、取引規模は1000億ウォン(約97億8000万円)と推定されている。
Zigbangは、不動産取引からスマートホームデバイスまで、生活空間のすべてをデジタル化したいと考えている。また、セルフストレージや住宅の検査・修理サービスにも参入する計画だ。
Zigbangは2018年以降、買収拡大路線を歩んでいる。
2018年に韓国のプロップテックスタートアップHogangNoNoを、2019年には「co-living(コリビング)」プラットフォームの WooZooと、商業仲介プラットフォームのSugarhillを買収した。また、2021年には住宅管理サービスプラットフォームのMovillを買収した。
Zigbangによると、同社のユーザー数は合計3350万人、月間アクティブユーザー数は810万人だという。現在、600人の従業員数を擁している。
直近では2019年7月に1600億ウォン(約152億円)を調達し、これまでの資金調達総額は2265億ウォン(約216億円)に、評価額は7000億ウォン(約660億円)に達した。韓国の中小ベンチャー企業省が1月27日に発表した報告書によると、Zigbangの2021年6月の評価額は1兆1千億ウォン(約1044億円)だった。
画像クレジット:Zigbang
[原文へ]
(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2022/01/30/2022-01-28-south-korean-proptech-startup-zigbang-acquires-samsung-sds-smart-home-iot-business/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Kate Park,Nariko Mizoguchi
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