低コスト・自由設計の自走型ロープウェイ「Zippar」、試乗会・運行開始へ向け資金調達

Zip Infrastructure株式会社は、渋滞緩和に貢献し得る次世代の交通システムとして自走式ロープウェイ「Zippar」を開発中。現在、8人乗りモデルの実証へ向けて準備を進めています。

そんななか、ポストシードラウンドで1.9億円の資金調達を実施すると発表。安全性の認証を目指すようです。

約1/5のコストでカーブなども自由に設計

「Zippar」は、1㎞10億円・建設期間約半年と既存モノレールに比べて約1/5のコスト・期間で建設可能。自動運転のため、需要に応じた車両数で運行できるなど人件費・運営費も削減できるでしょう。

また、ロープとゴンドラが独立しているため、カーブや分岐を自由自在に設計できるのもポイント。道路上空に柔軟な専用路線を作れます。

線路となるロープは2本タイプを採用し、一般的なロープウェイの1.5倍となる風速30mまで安定運行が可能。もちろん、交通事故の心配もないようです。加えて、シンプルながら安心感・安定感そして近未来感のあるデザインも魅力でしょう。

8人乗りモデル試験用地決定

2018年7月に創業した同社は、機体開発はさることながら「Zippar」実用化へ向けた複数の連携を実現しています。

たとえば、映像面のサポートをする株式会社ビヨゴンピクチャーズ、1人乗りモデルの実証をサポートする有限会社パシフィックネットワークがスポンサーとなりました(ともに2020年)。

また21年10月には、4人乗りモデルの実験開始にあたり、さくらインターネット株式会社とのパートナーシップを開始。今年3月には、鉄道関連製品などを販売する株式会社ヤシマキザイとスポンサー契約を締結しています。

そんななか、今年1月に新晃工業株式会社 神奈川工場の敷地が8人乗りモデル試験用地として決定。現在、試験線を設計中とのことです。

今秋の試乗会・25年の運行開始へ向けて

「Zippar」実用化へ向け着実に前進する同社。このたび、リアルテックファンドとANRIを引受先とする第三者割当増資および補助金によって1.9億円の資金調達を実施すると発表。各種エンジニア(情報通信・機械・電気電子系エンジニアなど)の募集を始めました。

今後は、8人乗りモデル実証のデータ収集を行い、現在組成中である第三者委員会にて安全性の認証を目指すようです。

今回、同社代表の須知氏は「やっと実際の1/1スケールでの実験が開始できます。(中略) まずは、今年の秋の試乗会、そして2025年の運行開始まで、突っ走ります」と意気込みを語りました。

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Zip Infrastructure株式会社

(文・Higuchi)


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