地面に刺すだけのちょい置きテーブル「SASU TABLE」は斜面だって安定感が抜群です

【アウトドア銘品図鑑】

キャンプでは飲み物や小物を置けるサブテーブルがあると便利なんですが、小さくてもかさばるし、チェアとの相性がいいものを探すのって案外大変です。それにせっかく用意しても、ぬかるみがそのまま乾いて地面がデコボコしていたり傾斜だったりすると、天板がガタついてかえってストレスになるんですね。

Spoon「SASU TABLE」は持ち運びやすくて組み立ても簡単なちょい置きテーブルです。脚を地面に刺すから「SASU TABLE」。斜面であってもまっすぐ脚を刺せば、天板に載せたモノが落ちないんです。

不安定な地面でも安定感のあるテーブルというと、カメラの三脚を利用したテーブルが有名ですが、「SASU TABLE」は一本脚だからそれよりも断然軽い! それに、天板の取り付けも簡単です。これまでクラファン挑戦や各地のアウトドアイベントで展示されて評判を呼んでいますが、2022年、ついに一部店舗で一般販売がはじまりました。

■ラケットみたいに持ち運べる

「SASU TABLE」には天板+三脚+フレーム+パイルドライバー型一脚のフルセット(2万9700円)と、パイルドライバー型一脚のない「SASU TABLE mini」(1万8700円)の2タイプあります。「SASU TABLE mini」は半月型のバッグですが、フルセットのバッグはなんだかラケットみたいにスポーティなデザインです。

▲フルセット。左から天板、収納袋、パイルドライバー型一脚、フレーム、三脚

フルセットの総重量は1.8kg。超軽量というわけではありませんが、取り回しが苦になるほど重くはありません。立って使えるほど高く設定できて、ある程度重量がないとひっくり返る恐れがあるので、この重量なのでしょう。

なお、「SASU TABLE mini」の総重量は1.2kg。使い方と高さの自由度は低くなりますが、軽快に持ち運べます。

一脚の先端はかなり鋭角ですが、キャップなどは付いていません。収納袋が破れそうで心配になりますが、安心してください。袋の底が補強されていて、突き破るのを防ぐ仕様となっているんです。

■三脚モードは約1分、一脚モードも約2分で完成

スタンドは一脚モードと三本脚が広がる三脚モードの2タイプ。「SASU TABLE」の名前の由来となったのは、ガンガン地面に刺す一脚モードです。

組み立ては3ステップ。

まず一脚モードの場合。クリップをゆるめると上端が上下に動くので、ハンマーで打ち付ける代わりに上端を握ってガンガン地面に打ち付けます。すると一脚の先端が地面に食い込んでいきます。まあまあ音が響くので、夜や早朝の作業は控えて。

一般的な地面であれば、1分ほどで15〜20cmほど刺せますよ。

▲フレームを一脚に差し込んだら、カメラの三脚と同じ要領でリングを回して好みの高さに固定

次は三脚モードの場合。

チェアの脇で使うなら、フレームを三脚に差し込んで固定。立ってテーブルを使うなら、地面に刺す一脚を三脚に差し込めばいい感じの高さになります。

三本脚はコードでつながっているので広げるだけ。地面に刺すよりも圧倒的に簡単です。フラットな地面であればこれで十分。

脚の準備ができたら、あとは天板を取り付けるだけです。

フレームの接続パーツを押し下げ、天板の溝にはまったことを確認。接続パーツを持っていた指を離すと天板に食い込む仕組みです。

言葉だけではややこしく感じますが、一度組み立てればすぐにマスターできるでしょう。

脚をねじ込む必要がないのに天板を逆さまにしても落ちないので、天板を持って移動できます。安定感があるし、金具の精巧さも見事。

▲三脚仕様は高さ38〜63cm、一脚と三脚を組み合わせると高さ75〜94cm。地面に刺して使う場合、おおよそ50〜70cmといったところ

完成。樹脂製の天板はφ40cmで、高級感のあるブラックとさわやかなグレーの2タイプ。

高さを無段階で調整できるので、チェアを変えても体格の違う人が使う場合でも、心地よい高さになるんですね。

■天板下のフックが便利

一脚にはフックが付いていて、いろんなものを吊り下げられます。なんてことのない仕様ですが、小ぶりのサブテーブルだからこそ、このフックが効くんです。

天板の下に3つのフックが付いています。

サコッシュやタオル、栓抜きといった小物を吊すことで、小ぶりの天板ですが収納力を高めてくれるんですね。レジ袋を吊り下げて、その場でゴミを分別するなんて使い方も便利。

▲スペーシア BASEに置いて即席リビング

小ぶりのテーブルなので、車中泊でも邪魔になりません。自宅の書斎やダイニングでもサマになりますね。

*  *  *

樹脂製天板は軽く、メンテナンスも簡単。地面に刺す一脚モードなら不整地でも使えるのがいいんですが、できるだけまっすぐ刺さないと天板が傾いて、せっかく載せたカップがずり落ちてしまいます。天板の縁が立ち上がっていればいいのですが、収納サイズなどを考慮した結果がこの形。まっすぐ刺す自信がないなら、滑り止めのマットを併用するほうがいいでしょう。

新しいスタイルのテーブルですから、天板の形状や素材、サイズなどのバリエーションはこれからの課題。期待して待ちたいですね。

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<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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