TCテントは重くてたてにくい?「ジオAIR TC BK」なら重くたって苦になりません

【アウトドア銘品図鑑】

TC製のテントが人気です。

火の粉が付着しても燃え広がりにくい、生地が分厚いから日差しが通りにくい+そこそこ通気性があるので夏は涼しい、繊維の性質を利用した防水性能だから長く使える…といったところが人々を惹きつける理由でしょう。

もちろん難点はあります。

TCテントの難点は重いこと。それにつきるといってもいいでしょう。

重いから幕をかけたフレームを立ち上げるのが大変だし、濡れた幕を乾かそうと広げるのも一苦労なんですから。

ラルファ「ジオAIR TC BK」は、ずっしり重いTC製ですが、エアフレームを採用したことで、重くても設営の苦労をおおよそ8割解消した次世代TCテントです。

■重い…けど空気を入れるだけって超楽

申し訳程度の付属ペグとハンマーなら必要ないという人が多いためでしょう、「ジオAIR TC BK」はペグ・ハンマーを付属せず総重量を約16kgに押さえています。ファミリー用の2ルームテントの中でも軽いとされているものがペグ込み総重量10〜15kgですから、大人ひとりでもクルマの荷室に持ち上げられる重量にしたのはさすが。

▲収納サイズは75×42×H35cm、16kg。サンプルなので袋のデザインが異なる

収納袋に入っているのは、TC製のフライシートとポリエステルタフタのインナーテント、張り綱、エアーポンプ、デイジーチェーン。

フライシートとインナーテント、張り綱、デイジーチェーンをあらかじめセットしておけば、次からは収納袋から幕とポンプを引っ張り出すだけで設営に取りかかれます。

幕を広げ、四角をペグダウン。その後、バルブにポンプを取り付けて空気を入れます。

ポンプは特殊な形状ではなく、SUPやエアベッドに空気を入れるものと同じ。付属のポンプはシングルアクションで約90回空気を入れます。ラルファによると、手持ちのダブルアクションポンプや電動ポンプを使えば、もっと楽に素早く空気を入れられるとか。ただ、電動ポンプだと空気の入れ加減がわからないので、最初は付属ポンプを使って空気を入れ、その固さを確かめる必要がありそうです。

▲H型に伸びるエアフレーム

エアフレームはすべてつながっているので、ポンプを持ってあっちこっちに移動する必要はありません。

90回ほど空気を送り込んでも、フレームがわずかに盛り上がるだけ。もっと空気を入れたほうがよさそうに思えるけれど、ファスナーを開いて内側から天井を持ち上げると驚くほどきれいに立ち上がる!

どうやらTC幕は重く、自然に立ち上がるのは厳しいので、ユーザーの手で少しだけ補助をすればいいんですね。

▲610×325×H200cm

シワがないよう裾をペグダウンし、張り綱を張れば完成。

ペグは、本体の裾8カ所と張り綱分の合計12本を用意しておきましょう。写真のように跳ね上げるなら、別途ポールと張り綱が必要です。

気になるのはエアフレームの強度ですが、太さを持たせることでTC幕を支えられるようにしており、強度はアルミフレームと同等。風に折れることもなく安心して使えますね。

■家族3〜4人にちょうどいい大きさ

インナーテントは280×210×H190cmで幅60cmのマットを4枚、幅50cmの登山用マットなら5枚並べられます。

▲遮光性が高く、4時すぎに明るくなる夏でもゆっくり眠れそう

「ジオAIR TC BK」はインナーテントのドアパネル両側の壁が垂直に近く、はしっこで眠っても圧迫感はありません。

もっともインナーテントの奥側はぐっと下がっているので、頭の向きは決まってしまいます。そんなときは反対側に付け替えるといいかも。

ちなみに、フライシートのパネルは4面すべてにブラックメッシュが装備されています。雨の心配がなければ、インナー側もメッシュにして眠ると涼しそう。

▲リビング部分は最大375×325×H200cm。天井がアーチになっている中央部分は幅140cm

後部の中央パネルを巻き上げ、その他2面を張り上げると開放感あり。濃い影からもわかるとおり、TC素材の熱を遮る効果もなかなかなのもの。

リビングに120サイズのテーブルとチェアを入れても十分余裕があります。

ただ、インナーと反対側は徐々に低くなるので、パネル類を全部閉じると有効面積は小さくなります。

エアフレームをつなぐように取り付けられるデイジーチェーン付き。今どきのテントらしい機能です。

壁が黒く、昼でも暗いので全閉にするならライトは必携。蓄光機能付きの小型ライトを吊しておくと、夜中に不意に起きても安心かも。

▲ラルファ担当の佐々木伸さん。ブランドやテントの名付け親

「ジオAIR TC BK」は長年キャンプ業界に身を置く佐々木さんが「こんなテントがあったらいいな」を具現化したテントです。

これまでなかったTCとエアフレームの組み合わせは、「家族が楽に設営できて、できるだけ長く手に入れたテントを使ってほしい」ため。厚手のTCであれば遮光性があり、シームテープの剥離やコーティングの加水分解がない。紫外線による劣化は避けられないが、それでも化繊幕よりもロングライフなのだから。

ちなみに裏テーマがあり、ヒントは名前。気づけばニヤリとする新作テント「ジオAIR TC BK」、息が長く派生も多い名シリーズになるかもしれません。

>> ラルファ

 

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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