iPhone12用OLEDディスプレイ巡り、韓国企業と中国企業が起訴合戦繰り広げる

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iPhone12用有機EL(OLED)ディスプレイを巡り、韓国Samsung Displayと中国BOEが、特許を侵害していると互いを訴えています。
 
この特許侵害起訴の背景には、iPhone用OLEDディスプレイの供給数において最大シェアを持つSamsung Displayと、供給数が増加しているBOEの間で互いを牽制する狙いがあると考えられます。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. iPhone12用OLEDディスプレイを巡り、Samsung DisplayがBOEを特許侵害で訴えた。
2. 背景には、シェアを拡大しつつあるBOEを牽制する狙いがある。
3. 液晶ディスプレイパネル供給数においてBOEは、2021年に世界一になっていた。

BOEの勢いを削ごうとするSamsung Display

Samsung DisplayBOEを特許侵害で起訴するに至った原因は、iPhone15用OLEDディスプレイ供給割合においてBOEが70%を獲得し、Samsung Displayは30%にとどまる見通しが示されたのがきっかけと、Patently Appleは述べています。
 
Samsung Displayは2023年1月に国際貿易委員会(ITC:International Trade Commision)において、BOEが製造したiPhone12用OLEDディスプレイはSamsung Displayの特許を侵害してると訴えており、それを受けて4月にITCは調査を開始することを決定しました。
 
Samsung Displayは、同様の理由による起訴をテキサス州東部地区裁判所でも行っています。

価格競争力に優れるBOE、Samsung Displayを提訴

Samsung Displayの訴えを受け、BOEは2023年5月に、Samsung DisplayがBOEの持つ特許を侵害していると訴えました。
 
BOEは2021年にSamsung Displayを追い抜いて液晶ディスプレイパネル製造数で世界一になっており、有機ELディスプレイパネル製造数でも韓国のサプライヤーを追い上げています。
 
両社の競争により、iPhone用ディスプレイパネルの卸価格値下げ、それによる販売価格の値下げ(値上げの中止)という形でユーザーにもメリットがもたらされることが期待されます。
 
 
Source:Patently Apple
Photo:Appledsign/Facebook
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