Huawei、米国技術に頼らず5Gスマホを作ってしまった可能性

Huawei Mate 60 Pro
 
中国ブランドHuaweiが新たに発表したフラッグシップモデル「Mate 60 Pro」が、米国政府に衝撃を走らせている、とThe Washington Postが報じています。というのは、米国からの制裁を受けていた同社が、米国技術にいっさい依存することなく、5Gスマホを作り上げてしまった可能性があるためです。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 中国ブランドHuaweiのフラッグシップモデル「Mate 60 Pro」が米国に衝撃を走らせている。
2. 同機は米国技術にいっさい頼らず5G並みの通信速度に達している。
3. 制裁が逆に中国企業の技術革新を促進してしまった可能性があるという。

中国の技術のみで7nmチップまで到達

Huaweiに対して安全保障上の理由から技術の輸出禁止措置を開始したのは前米大統領のドナルド・トランプ氏ですが、現大統領のジョー・バイデン氏も継続して同社への制裁を行ってきました。
 
Qualcommなどの重要なモバイルテクノロジー企業の技術を使用できなくなり、一時は大きく勢いを落としたHuaweiでしたが、最新フラッグシップ機のMate 60 Proで、中国の半導体ファウンドリSMICが製造した7ナノメートル(nm)のチップの搭載を実現させていることがわかりました。
 
Appleの最新のiPhoneに採用されている4nmのチップと比べると見劣りするものの、7nmチップは2018年のiPhoneのチップに相当する速さであり、中国の技術が台湾TSMCのすぐそこにまで迫っていることが明らかになったわけです。

5G並みのスピードにも到達

HuaweiはMate 60 Proが5Gに対応しているかを発表していませんが、Bloomberg Newsが行った実験によれば、同機は最新のiPhoneなどの5Gデバイスに相当するほどの通信速度に達しているとのことです。

制裁が逆にイノベーションを促してしまった?

今回最も危惧されているのは、米国による中国に対しての経済制裁が、逆に中国企業の技術革新を促進してしまった可能性があるということです。
 
この事実は、今後の米国政府の戦略に大きな影響を与えるかもしれません。これまでは技術を独占していた米国に集まるしかなかった状況でしたが、それ以外の選択肢が出てきたからです。
 
中国ファウンドリSMICが最先端のチップに到達できるかどうかはわかりませんが、すでに旧世代のチップは量産できるようになっているのは間違いないため、世界中のチップ価格が押し下げられる可能性が指摘されています。
 
 
Source:The Washington Post, Bloomberg
Photo:Sparrows News/YouTube
(lexi)


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