箱に入ったままのiPhoneをアップデートできる装置「Presto」は、iOSのアップデートにとどまらず、高度な在庫管理システムとしても活用可能だ、と仏メディアiGenerationが報じています。Prestoは、一部店舗での試験導入を経て、4月から全米のApple Storeに配備が進められています。
2023年秋から試験導入、4月には全米展開
「Presto」は、iPhoneを未開封のままで最新のソフトウェアにアップデートが可能な装置で、昨年、アメリカの一部のApple Storeで試験導入され、この4月以降に全米のApple Storeへの配備が進められています。
2023年10月にリリースされたiOS17.2のベータ1には、Prestoに対応するためとみられる記述が発見された、と米メディア9to5Macが報じていました。
Prestoは記事トップの写真にあるように、金属製の棚のような構造で、棚板にあたる部分にはiPhoneの箱を置くための充電パッドのような台が横に3つ、上下に並んでいます。
iPhoneが工場から出荷された後に公開されたiOSのアップデートは、ユーザーが購入後にインストールする必要があり、ユーザーにとっては手間のかかる作業です。
しかし、Presto導入店舗で購入すれば、開封した時点で最新バージョンのiOSが適用されているため、手間が省けます。
Mac miniで動作、在庫品のアップデート状況を把握可能
仏メディアiGenerationによると、PrestoはiPhoneの電源を入れてソフトウェアアップデートをインストールして電源を落とすだけでなく、高度な在庫管理システムとしての一面も持っています。
PrestoのソフトウェアはMac miniで動作しており、技術スタッフがiPhoneの箱をスキャンすると、アップデート待ちの在庫品リストに追加されます。
Apple Storeのスタッフは、アップデートが必要なiPhoneを把握でき、販売記録から次にアップデートが必要なiPhoneや、翌日のために準備する台数を決めることもできます。
特定の構成(モデル、色、ストレージ)のiPhoneが売れると、システムは店舗スタッフに、同じ構成のiPhoneをアップデートするよう通知します。そのため、店頭には最新のアップデートが適用されたiPhoneが用意されてる状態が維持されます。
アップデート適用完了でLEDがグリーンに
iOSの新しいバージョンが公開されると、Prestoのシステムはすべての在庫品にアップデートが必要、のフラグを立てます。
アップデート作業が完了すると、PrestoのステータスLEDが白から緑に変わります。
Apple Storeのスタッフは、特別なトレーニングを受けていなくてもPrestoを使うことができ、近くにいるスタッフは誰でも、LEDの色が緑になったiPhoneをPrestoから取り出して、アップデート済みの在庫品置き場に移すことができる、とiGenerationは伝えています。
日本での導入に期待
現段階では、Prestoのアメリカ以外への展開については伝えられておらず、日本での導入時期は不明です。
Prestoの機能は言語や地域による制限をあまり受けないように思えるので、ぜひ日本での導入にも期待したいところです。
Source: iGenaration via 9to5Mac
Photo:iGenaration
- Original:https://iphone-mania.jp/news-578434/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato
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