Apple、ルカ・マエストリCFOの退任を発表〜投資家対策との指摘も

Appleは、最高財務責任者(CFO)を10年以上にわたって務めたルカ・マエストリ氏が2024年末をもって退任すると発表しました。後任には、財務部門の副社長が就任します。マエストリ氏による業績発表を聞けるのは、10月末が最後となりそうです。今回の退任発表は、ジョナサン・アイブ氏の時と同様、投資家対策ではないか、との指摘もされています。

ルカ・マエストリ氏、10年以上務めたCFOを退任

AppleのCFOとして経営の中枢を担ってきたルカ・マエストリ氏が、2024年末をもって退任することが発表されました。後任には、Appleの財務計画および分析担当バイスプレジデントのケバン・パレク氏が就任します。

マエストリ氏はAppleにとどまり、2025年1月からはティム・クック最高経営責任者(CEO)直属の部下として、情報システムとテクノロジー、情報セキュリティ、不動産と開発を含むコーポレートサービスのチームを統括します。

ケバン・パレク氏は、Thomson ReutersとGeneral Motorsを経て2013年にAppleに入社しています。

Linkedin ケバン・パレク氏

なお、およそ1週間前には、App Store事業担当副社長を務めてきたマット・フィッシャー氏が10月に退任し、App Store事業が再編されるとの報道があったばかりです。

マエストリ氏、最後の業績発表は10月末〜11月初めか

マエストリ氏は、米自動車大手General MotorsでキャリアをスタートしCFOを務めた後、XeroxやNokia Siemens Networks.でもCFOを務めた経歴を持ちます。

Appleによると、マエストリ氏はCFO在任期間中、重要な投資の実行や強固な財務規律の実践により、売上は2倍以上、サービス事業の売上は5倍以上に拡大したそうです。

Appleには2013年に入社し、10年間以上にわたってCFOを務めています。マエストリ氏は、四半期ごとに音声が公開される決算発表での、業績説明やアナリストとの質疑応答に登場しています。

例年と同様なら、次回の決算発表は10月末〜11月初め頃で、これがCFOとしてのマエストリ氏の声を聞く最後の機会となりそうです。

ジョナサン・アイブ氏退任と同じ手法との指摘も

米メディア9to5Macは、Appleがマエストリ氏退任を発表したタイミングが、iPhone16発表イベントの開催発表と同時であることは「決して偶然ではない」と指摘しています。

長期にわたり務めたCFOを退き、降格とも取れる新職務に就くのは、投資家からの評価が高かったマエストリ氏の退任によって投資家が不安になるのを防ぐ目的であり、実際には1年程度でマエストリ氏はAppleを去るのだろう、と推測しています。

Appleのこの手法は、2019年に最高デザイン責任者(CDO)のジョナサン・アイブ氏が独立することの発表で、退社後もAppleに関与し続けると説明してしたものの、実際には同氏の関与が見られないのと同じではないか、とコメントしています。

ちなみに2020年には、ジョナサン・アイブ氏、ルカ・マエストリ氏の両氏がイタリアの高級スポーツカーメーカー、Ferrariの次期CEO候補として名前が報じられたこともありました。

Source: Apple

Photo: Apple, LinkedIn


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