デートアプリのTinderが新型コロナ禍で成長鈍化、次四半期にビデオデート機能を追加へ

Tinder(ティンダー)は今年の第2四半期にビデオデート機能を追加する予定だ。これは米国時間5月4日に発表された2020年第1四半期の収益 レポートの一部として親会社のMatch(マッチ)が明らか似した。同社はまた、対人距離確保要請と政府によるロックダウンが発効したために、四半期のTinderユーザー数の成長の鈍化につながった、新型コロナウイルスの影響についても詳しく説明している。

Matchはビデオデート計画の詳細には触れなかったが、同社のPlenty of Fishアプリの中でビデオを使ったテストをしていると述べた。同社は今四半期、期待が予想をはるかに超えて寄せられた1対多のライブストリーミング機能のロールアウトを加速させたと説明している。

「デートする人たちからの、ビデオデートへの強い希望を受けたことから、世界中の製品とエンジニアリングのチームを迅速に動員し、多くのプラットフォーム上に1対1のビデオチャット機能を展開しました」と、Match GroupのCEOであるShar Dubey(シャー・デュベイ)氏は株主宛ての書簡で述べている。

Matchが所有するHinge(ヒンジ)もまた今月、Date from Home(デート・フロム・ホーム)という ビデオ通話機能を導入した。しかし、同社の主力出会い系サービスであるTinderは、まだビデオを採用していなかった。直接のライバルであるBumble(バンブル)が1年前からビデオ機能を提供しており、そしてFacebook(フェイスブック)はFacebook Dating(フェイスブック・デーティング)ユーザーのために、Messenger(メッセンジャー)を介した仮想デートを立ち上げようとしている。

Matchは、投資家に対する決算報告の中で、ビデオに対して踏み込んでいない理由を、ビデオ機能は何年も試みられて来たが、これまでは決して広くは受け入れられて来なかったからだと説明した。だが同社は今、「ユーザーの皆さまが、それ(ビデオ)を使用することを余儀なくされている」ために、状況は変わると信じているのだ。同社は、パンデミックが終わってもユーザーはメリットを理解し、ビデオを使い続ける可能性が高いと語っている。

全体として、Matchの第1四半期は堅調で、収益は前年同期比17%増の5億4500万ドル(約580億円)となり、1株当たりの収益は31%増の55セントとなった。どちらもウォールストリートの予想だった5億4490万ドル(約579億円)と、1株あたり34セントをそれぞれ上回っている。だが発表前には、コロナウイルスがオンラインデートに被害を与えるかもしれない、多くの兆候が示されていた。

Matchによれば、(オンラインデートの最終的なゴールである)対面デートへの意欲の減少が、Tinderにとっては初の連続した有料登録者の減少につながったという。この傾向は4月になって落ち着きを見せ始めた。またMatchのTinder以外のブランドの大部分でも、この3月に初めてサブスクライバーが連続して減少した、と同社は付け加えた。

Tinderは、2019年12月の590万人から、600万人へと有料登録者を増やしてこの四半期を終えた、つまりこの四半期に新規加入した有料登録者は、わずか10万人しかいなかったということになる。前年同期には、38万4000人の有料ユーザーが加わっていたのだ。Tinderの1ユーザーあたりの平均収益(ARPU)は、主にオプション機能の購入によってわずか2%増加しただけだ。

同社はまた、Tinderではオプションの購入が少なく低価格のサブスクリプションへの移行が見られたため「ARPUへの逆風が見られた」ことを認めた。

これらの課題にもかかわらず、Tinderの直接収益は前年比で31%増加し、有料登録者数は前年比で28%増加した。これに比べると、非Tinderブランドでの直接収益の伸びはわずか2%にとどまり、サブスクライバーの伸びは横ばいだった。

「Tinderは、明らかに新しい人と出会うための頼りになるアプリのままですし、多くの人が家に閉じこもっている中で、より重要なサービスとなっています」とデュベイ氏は楽観的に指摘している。

他の多くの企業と同様に、Matchはパンデミックに関しては未知数が多すぎると述べ、通期の財務見通しを提示することは拒否した。

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(翻訳:sako)


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