Apple&マーティン・スコセッシ監督の大作映画、Netflixを強く意識?

マーティン・スコセッシ siri
 
Appleとマーティン・スコセッシ監督がタッグを組み、名優ロバート・デ・ニーロ主演で大作映画を撮影するとの噂が立っています。しかし、同じ動画ストリーミングサービスを手掛けるライバル企業Netflixが昨年公開した「アイリッシュマン」と同じ監督&主演のため、Appleによる当てつけではないかとの見方もあります。

「アイリッシュマン」と同じ?

豊富な資金を背景に、Appleは自社ストリーミングサービスであるApple TV+向けの動画として、J・J・エイブラムススティーブン・スピルバーグソフィア・コッポラリドリー・スコットといった、名だたる大物監督のハートを射止めてきました。そして今回新たにApple資本で映画作成の噂が立っているのが、マーティン・スコセッシです。
 
「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」「ディパーテッド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」そして「アイリッシュマン」――数々の名作を世に送り出してきたマーティン・スコセッシが新たに手掛けるのは、小説が原作の「Killers Of The Flower Moon(花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生)」で、主演はアカデミー賞俳優のロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオだと言われています。2人ともスコセッシ映画の常連です。
 
しかし、動画ストリーミングサービス向けのオリジナル映画で、監督がマーティン・スコセッシで、主演がロバート・デ・ニーロで……どこかで聞いたことがあるでしょう。数々の国際的な映画賞を総なめにし、アカデミー賞にも10部門でノミネートされたNetflixの「アイリッシュマン」と、全く同じ構図なのです。
 
しかも1億8,000万ドル〜2億ドル(約195億円〜約215億円)ほどになると目されている予算規模は、ハリウッド映画の超大作と遜色ありません。例えば、昨年大ヒットした映画「ジョーカー」の予算は5,500万ドル(約60億円)、ディズニーの実写映画「アラジン」は1億8,500万ドル(約200億円)、「アイリッシュマン」は1億5,900万ドル(約175億円)でした。
 
もちろん、これだけの資金を投じるオリジナル映画は、Appleにとっても初の試みとなります。

Appleにもスコセッシにも意義がある

AppleがNetflixに対抗意識をむき出しにするのには理由があります。
 
Apple TV+サービス開始前から「量よりも質」を掲げてきたAppleですが、現実には“量”で押すはずのNetflixが毎年のように、アカデミー賞やゴールデングローブ賞といった有名な映画賞を獲得しています。一方でAppleは、ドラマ「ザ・モーニングショー」がゴールデングローブ賞にノミネートされるに留まりました。
 
Appleはアカデミー賞獲りを視野に入れているとも言われており、賞レースの常連であるマーティン・スコセッシを起用することで、何としてでもNetflixの鼻を明かしたいのでしょう。また「アイリッシュマン」はアカデミー賞に10部門ノミネートされながら無冠に終わったため、スコセッシにとっても、Appleとタッグを組んで仕切り直しを図りたいところです。
 
ちなみにマーティン・スコセッシがAppleとタッグを組むのは今回が初めてではなく、過去にはiPhone4sのコマーシャルに出演しています。
 
 
Source:Cult of Mac,Deadline,日本経済新聞
(kihachi)


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