普段の道のりも新鮮な旅路と感じる立ち乗り電動スクーター「X-SCOOTER LOM」

ラスト・ワン・マイルを支えるモビリティとなるかもしれない。電動バイクバンチャーであるglafit(グラフィット)が開発中の「X-SCOOTER LOM」(クロススクーター ロム)は、強固なフレームワークが目を引く電動スクーターだ。サドルレスゆえに折りたたみしやすく、車のトランクや駅のコインロッカーにも入れやすい。そして高い視点によるnot人力な移動は新鮮で楽しさあふれる乗り物だ。

公道も気兼ねなく走れる電動キックスクーター

クラウドファンディングサイト・Makuakeでプロジェクト実施中のX-SCOOTER LOM。記事執筆時点で目標金額の1708%、6833万円もの支援が集まっている。

男子たるもの、乗り物が大好きですよね。僕もご多分にもれず、高校時代から自分で買ったバイクで走り出し、クルマでサーキットに行ったり、サイドカーで北海道ツーリングしたりと自由気ままのモビリティライフを送ってきました。

しかし、どーにも食指が伸びなかった、いや伸ばせなかったのが電動キックボードスタイルのスクーター。浦和美園駅に配備されたシェアリング式の電動キックボードに乗ってみて、立ちながらアクセル1つで走れる感覚に惚れこみました。構造は違いますが、セグウェイと同じような安定感と不安定感のバランスが楽しすぎる! と。

普段歩いているときよりも高い視点というのもポイント。クルマともバイクとも自転車とも違う視界の広さに「いつか買う!」と心に決めたものの、当時入手できるモデルでナンバーを取得する方法がわからなかった。

いやあ。待ってよかった。ついに登場するのです。ナンバー取得が前提の電動キックボードスタイルのモビリティ、「X-SCOOTER LOM」が! ヘルメットが必須となりますが、公道を走れるのです。自由に! これはもう僕らの羽といっていいでしょう。

クラウドファンディング、勢いよく進行中

トラディショナルなバイクのように、トップチューブと2本のダウンチューブで構成されたダブルクレードルフレームを採用。既存の電動キックスクーターのような華奢さはなく、見るからにタフで日々の足として活躍するはずだ。

アメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2020で試作車がお目見えし、2020年2月からクラウドファンディングがスタートするはずだったX-SCOOTER LOM。新型コロナ禍による世界的なインドア生活を余儀なくされたことから延期となってしまいましたが、5月28日から日本のクラウドファンディングサイト・Makuakeでプロジェクトがスタートしました。

開始後1時間を経たずに目標金額である400万円の調達を達成。記事執筆時点で目標金額の1708%、6833万円もの支援が集まっています。最初の200台は採算度外視な1台10万5000円だったこと、そして僕のようにナンバー付き電動キックボードが欲しいという方が多かったのでしょう。

日常の足とするには無問題の航続距離40km

アクセラレーターはバイクのようなグリップ式ではなく、押し込み式。

日本における車両の区分としては第一種原動機付自転車となるX-SCOOTER LOM。50cc未満のスクーターやバイクと同じ扱いの車両となります。

最高速はHighモードで~25km/h以上。幹線道路を走るとメンタルが疲弊しそうですが、ちょっとした街ナカであれば問題ありません。

またMidモードで~25km/h、Ecoモードで~10km/hの速度域を選択できるのも、いい。慣れないうちはEcoモードにしておけば、不意にアクセラレーターのプッシュレバーを押し込んでも速度域が低いから比較的安全に走り出せますし。

ウインカーカバーなどのパーツは3Dプリンターで出力したもの。市販型はデザインが変わるかもしれない。
スケートボードのようなフットプレートに着脱式のバッテリーボックス。一回の充電で約40kmの走行が可能だ。

航続距離は55kgの男性ライダーが運転した状態をベンチマークとしたとき、付属の標準バッテリーで40km以上走れるそうです。体重差や路面の傾斜などで変わってきますが、1つの目安としては安心感を覚えるもの。シートがないからそもそも長距離ライディング向きではなく、日々の足として使う方が多いでしょうし。

とはいえどこまで走れるかをチャレンジしたくなるのも男の子ゴコロ。ご安心ください。標準バッテリーの1.5倍の容量で、航続距離が60kmに伸びる大容量バッテリーもオプション品として用意されますから。

バッテリーの交換が可能なので、予備バッテリーをリュックに入れておけばロングツーリングも楽しめるかも。そんな期待もしたくなります。

スムースで軽やかな走行感覚

フロントは走破性を高めるために12インチを採用。ブレーキはディスクブレーキだ。

Makuakeの社内で軽く試乗したのですが、走りは実にスムース。太いタイヤが柔らかい乗り心地を支えているのでしょう。

既存の主な電動キックスクーターと異なりステップ部が左右に広いのも踏ん張りがきいて快適。後ろに荷重をかけると直進安定性が高まり、前に荷重をかけると小刻みなターンもしやすくなり、ヤバいこれ。雪山じゃなくてもスノースクートの感覚で走れる乗り物で楽しすぎるじゃないですか。

ガッチガチのフレームも安心感を抱けるポイント。トップチューブも低いから、またがるのもラクラク。段差を乗り越えたときの衝撃はまだ未体験ですが、立ち乗りというスタイル上、膝をショックアブゾーバーとして使うことでさらりと乗り越せそう。

同じくディスクブレーキの後輪は、ホイールサイズが10インチ。サイドスタンドの標準装備だ。モーターはホイール内部に入っている。

車重は本体が14kg。ここに標準バッテリーの2.5kgが追加されます。合わせて16.5kgというのは、ママチャリくらいの重さとなります。構造を考えると重すぎない?と感じるでしょう。でもこの重さが、パーツの1つ1つがタフに作られている要因だと考えると、好感触。バッテリーを交換し続けていけば、ながーく付き合えそう。

X-SCOOTER LOMを折りたたむには、1.ロックを外してハンドルを左右共に折る、2.ロックを外してハンドルポストを折る、3.車体後部のフレームとハンドルを接続する。

ハンドルを折りたたんで収納状態とすれば、リアタイヤを接地させた状態で引いて運べます。16.5kgという重さがダイレクトなマイナス要因となるのは、クルマのトランクへの積み下ろし、電車の駅でのコインロッカー収納時くらい。立てればゴルフバックくらいのサイズとなるので、運びやすい輪行バックが作られたら、電車やバスを使った旅もしやすそう。

これは…夢が…広がる乗り物です…。

メイドイン和歌山のX-SCOOTER LOM

glafit CEOの鳴海禎造氏。X-SCOOTER LOMを、新しいライフスタイルを担うモビリティとして開発を進めている。

X-SCOOTER LOMの「LOM」はラストワンマイルの略語。公共交通機関が整備されていない駅まで、バス停までの数キロ圏を快適に移動できるモビリティとして、X-SCOOTER LOMは2020年末販売開始に向けて開発が進んでいます。

また100kgまでの荷物を牽引できるトレーラーも開発しているとのこと。アウトドアグッズを満載した状態でキャンプ場を移動する、サーフボードを運ぶなどなど、さまざまなアクティビティを支える足ともなってくれるのです。

しかもデザイン、設計、そして組み立ては和歌山県で行われているというところにグッとくる。メイドインジャパン、メイドイン和歌山かー。僕も思わずポチってしまったのですが、X-SCOOTER LOMが届いたら電車とバスを乗り継いで和歌山にinして、聖地巡礼的に街をめぐってみたいなという気持ちが日に日に高まっています。絶景スポット巡りにもいいでしょうなあ。

乗りやすい。停めやすい。運びやすい。そんな新しい乗り物として、すでに多くの人からの支持を集めているX-SCOOTER LOM。みなさんのご家庭にも1台、いかがですか?

Makuake

 


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