ポッドキャストの信頼できるダウンロードチャートで知られるスタートアップのChartableが、シードラウンドで225万ドル(約2億4000万円)を調達したと発表した。
創業者のDave Zohrob(デイブ・ゾーロブ)氏とHarish Agarwal(ハリシュ・アガルワル)氏は以前はAngelListの同僚で、Hacker Newsから主な項目をまとめたポッドキャストのHacker Dailyを一緒に制作していた。ChartableのCEOであるゾーロブ氏は筆者に対し、自分たちでポッドキャストを配信した経験から分析用のプロダクトを作ろうと強く思ったと語った。
「ポッドキャストは奇妙な市場だ。ある日、ダウンロード数が1日4000回から5000回になった。なぜそうなったのか、我々にはわからなかった」と同氏は言う。
そこで2人はChartableを作り、オーディエンスやビジネスを理解するために必要なインサイトをパブリッシャーや広告主に提供することにした。
業界全体のチャートを作っているわけだが、これはパブリッシャーがさまざまなポッドキャストアプリにわたる聴取データを集計したり、ChartableがSmartAdsやSmartLinks、SmartPromosのようなプロダクトを提供したりするのにも役立っている。SmartAdsはポッドキャスト広告の効果を測定するプロダクト、SmartLinksはポッドキャストのダウンロードを促進するデジタルマーケティングキャンペーンの効果を測定するプロダクト、SmartPromosは複数のポッドキャストにまたがるプロモーションキャンペーンのためのアトリビューションプロダクトだ。
2018年に創業したChartableは、1年前には毎月1億回のダウンロードを調査していたが、現在は10億回のダウンロードと広告インプレッションを調査しているという。同社は独立系のポッドキャスター向けに無料版を提供しているが、現時点で世界トップ10のパブリッシャーのうち8社と連携しているとゾーロブ氏は強調した。
ゾーロブ氏は、歴史は繰り返すものでChartableはアプリストアに関するApp Annieのような分析会社と同じような役割をポッドキャストに関して担っていると述べる。同時に、ポッドキャストはまったく異なる市場であるとも示唆する。
「もっと細分化されていて、AppleとAndroidだけではない。ビジネスモデルの種類も膨大で、ずっと複雑だ」(ゾーロブ氏)。
iOSでプライバシーの取り扱いが今後変更されるとChartableのアトリビューションツールに影響が及ぶかどうかについてゾーロブ氏は、ポッドキャストのアトリビューションに関するデータは今もすでに制限されているため「大きな変更」は生じないはずだと述べた。
「結局、ほかのデジタル広告で何が起きているかというと、面白いことにポッドキャスト広告のようになり始めている。おそらく最終的に両者はどこかで交わるだろう」と同氏は語った。
今回のラウンドを主導したのは、2019年のラウンドでChartableに150万ドル(約1億6000万円)を調達したInitialized Capitalだ。ほかにNaval Ravikant(ナバル・ラビカント)氏、Greycroft Partners、The Fund、Weekend Fund、Jim Young(ジム・ヤング)氏、Lukas Biewald(ルーカス・ビーワルド)氏が参加した。
Initialized Capital共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏は発表の中で「Chartableはポッドキャストの分析とアトリビューションの権威だ。ブランドやパブリッシャーがポッドキャスト業界を推進するために必要なツールを作っている同社を支援することができ、これほど嬉しいことはない」と述べている。ちなみにオハニアン氏は、Initialized Capitalを去る前にChartableのラウンドを主導した。
画像クレジット:Nicola Katie / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/09/14/2020-09-11-chartable-seed-funding/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha
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