米政府のHuawei規制で空いた穴はAppleが埋める〜投資銀行予測

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米政府のHuawei禁輸措置が厳格化したことによって、高価格帯(プレミアム価格帯)のスマートフォン市場で、iPhoneの売れ行きが更に勢いづくのではないかとの予測が出ています。

窮地に陥ったHuawei

米ドナルド・トランプ政権は2019年、禁輸措置リスト(エンティティ・リスト)にHuaweiとその関連企業を加えました。これによって米企業は半導体に関連する取引をHuaweiと行うことができなくなりましたが、海外企業はHuaweiと取引を続けていたほか“抜け道”も存在したため、2020年9月より更に厳格化された規制が発動しました。厳格化されたことで台湾TSMCとの契約も終了、Huaweiはハイエンドスマートフォン向けチップの量産ができなくなり、スマートフォンビジネス事業は窮地に追いやられています。
 
投資銀行Cowenでアナリストを務めるクリシュ・サンカル氏は「自前での生産、サードパーティーの半導体にかかわらず生産不全に陥ったことは、Huaweiが市場でのポジションを維持するうえで最大の障壁となるだろう」と指摘、「現存する部品の在庫は2021年中頃までには枯渇し、年間出荷台数は5,000万台以下になる(2020年は1億8,600万台)」と厳しい予測を立てています。実際、Huawei自身も予想スマートフォン出荷台数を5,000万台〜7,000万台と見積もっています。

空いた穴はAppleが埋める

とはいえ、空いた穴は誰かが埋めるのも事実でしょう。
 
サンカル氏のレポートでは、Huaweiに対する米政府の規制強化によって、欧州や中国でiPhoneがシェアを伸ばすのではないかといった見方が展開されています。とりわけハイエンドチップ確保の目処が絶たないプレミアム価格帯は、もとよりAppleの独壇場です。
 
この価格帯でHuaweiは1,500万台〜2,000万台ほどの売上を失うと考えられており、仮にこのうち1,500万台分をiPhoneが埋めれば、増分収益は2022年に4%上がるというのがサンカル氏の見立てです。「5G通信に対応したiPhone12は、Huaweiが満たせなかった、プレミアムユニットのシェアの大半を抑えてしまうだろう」
 
ちなみに、サンカル氏は第3四半期のiPhone生産台数を、前期比20%増、前年同期比11%減の4,200万台から変更していません。もちろん、これはiPhone12が10月に登場すると予測しているためで、同氏は第4四半期(10月〜12月)は生産台数が7,300万台となり、そのうちの81%をiPhone12とiPhone12 Proが占めると見ています。
 
 
Source:AppleInsider
(kihachi)


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