Appleを競争法違反と認めた判決を支持するよう、Epicが最高裁に要請

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Appleが不正競争防止法に違反していると認めた、米控訴裁判所の判決を支持するよう、同社と係争中のEpic Gamesが最高裁判所に要請しました。控訴裁は先日、AppleがApp Storeで設けている規約の差し止め命令を下すと同時に、判決に従うか上告するかを決めるための猶予を90日間認めていました。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 控訴裁の差し止め命令に従うなら、Appleはアプリ外決済の提示を許可する必要がある。
2. 手数料で稼ぐビジネスモデルが揺らぐため、Appleは最高裁に上告を受理してもらいたい。
3. しかし係争相手のEpic Gamesは、命令遵守までの「時間稼ぎ」と考えている。

Epic「控訴裁の基準は甘すぎる」

2020年から続くEpic GamesとAppleの裁判で、米カリフォルニア州サンフランシスコの控訴裁判所(日本の高等裁判所に相当)は2023年4月、Appleにサードパーティーの外部決済手段もアプリ内で許可するよう命じました。
 
Appleが同社を介するアプリ内課金以外を認めないのは、独占禁止法にこそ違反していないものの、「アンチ・ステアリング(anti-steering)行為」であり不正競争防止法に抵触しているとする、地方裁判所が2021年に下した判決を支持する内容です。
 
控訴裁はこの判決を下した後、Appleの要請を受け入れる形で7月中旬、差し止め命令に従って規約の変更に応じるか、不服として最高裁判所に上告するかを決めるための猶予として90日間の期間を設けました。
 
しかしEpic Gamesは、判決内容に疑問の余地はなく、Appleにとっての時間稼ぎにしかならないと考えているようで、最高裁に対し「(控訴裁の)差し止め基準は甘すぎる」と主張、すでに出された判決を支持すべきだと強く求めました。

時間稼ぎとは言い切れない?

Appleの要求に応じて猶予を与えた控訴裁に対し、Epic Gamesのティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)が「正義は先延ばしになった、まただ」とTwitterで漏らしたように、もし上告が認められれば、今度は最高裁の判決を待つことになります。
 


 
すでに韓国オランダなどの一部地域では、条件付きで外部決済を認めているAppleですが、米国でも同じように開放すれば、“Apple税”と呼ばれる手数料ビジネスが揺らぎかねません(Apple全体の収益からすれば大した痛手ではないでしょうが)。
 
とはいえ消費者からすれば、Appleの「詐欺やマルウェア、スパイウェア、不快なコンテンツからユーザーを守るための能力が制限されることになる」という主張をポジショントークとして片付けられないのも確かです。
 
 
Source:Reuters
(kihachi)


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