自宅にいながら音楽づくり♪大人のDMT入門【趣味な大人のベストバイギア】

【趣味な大人のベストバイギア】

自宅でできる音楽作り、DTM(デスクトップミュージック)。「なんだか難しそうだからな〜」と諦めているそこのあなた、手持ちのスマホでも楽曲が作れるんです! DTMのイロハを学んで、ぜひトライしてみては?

*  *  *

YouTuber、DTMerのジョンピーチさんがYouTubeチャンネルで自由にビートメイクする姿や、好きな曲を耳コピして再現していく様子を観ていると、DTMが好きなんだということが伝わってくる。

「コツコツと音を重ねていって、出来上がった曲を聴く瞬間がすごく好きなんです。欲しい音が作れた時がすごく気持ちよくて、どんどんDTMにハマっていきました。始めてからは音楽の聴き方が変わって、どういった曲の構成か、どんな音の要素か、何の音源を使っているかを常に分析しています(笑)」

音大出身だからといって、すぐに自分らしい音に出会えた訳ではないという。

「現在のDTM環境には満足していますが、『この音はどうやって作るのかな? こんな事が出来る機材はないかな?』と日々手探りしています。よく視聴者の方に『最初は何を買ったらいいですか?』と聞かれますが、最初からすべてを買い揃えるのではなく、体験版ソフトやスマホ・タブレットアプリから始めることをオススメしています。楽しんでいく中で自分の好きなジャンルや使いたい機材が見えてくると思うので、それから選んでも遅くはありません。興味がある方はまず気軽にトライしてみてください」

YouTuber、DTMer/ジョンピーチさん
YouTube「ジョンピーチチャンネル」で初心者でも楽しめるDTM 動画を配信し、自身でも楽曲制作を行っている。愛用ガジェットも公開中

 

■DTMってどんなことをするの?

手順や必要な機材は人それぞれ。基本的には“好きな音楽を作れたらOK”だ。スマホだけで楽しむ人もいれば、自分好みの音に近づけるために機材を増やしていく人も。自分なりのDTMライフを楽しもう!

<ITEM>

ーこれだけでもOKー
・スマホorタブレット

ーあると楽しいー
・PC
・DAWソフト
・スピーカー&ヘッドホン
・オーディオインターフェイス
・MIDIキーボード
・マイク、楽器など

▼ソフトやアプリで打ち込む

「“打ち込み”とは音を入力する作業のことで、DTMの醍醐味! ソフトやアプリを使って楽曲を作っていきます。画面の横が時間軸で、色とりどりのラインをトラックといいます。ジャンルやBPMを決めてからトラックをいくつも重ねていき、最後に音を調整したら完成です」(ジョンピーチさん 以下同)

▼楽器の音を入れる

「打ち込みではビートやベースラインなどいろんな音を使っていきますが、楽器が弾けなくても大丈夫。ソフトに入っている楽器の種類を選んで打ち込んでいけば、どんな楽器でも奏でられます! ひとりでバンド演奏をしている感覚でどんどん音を重ねていきましょう」

▼歌や楽器の音を録音する

「DTMでは生の歌や楽器の音も入れられます。電子音だけでは表現できないグルーヴ感が生まれて、カッコよく仕上がります。スマホの内蔵マイクで録ることもできますが、ノイズや反響音を避けるならマイクとオーディオインターフェイスを使いたいところ!」

▼サンプリングする

「既存の楽曲を部分的に切り取ることや、実際に音を採取することをサンプリングといいます。今回はギターの弦をはじく音が欲しかったので、スマホで簡単に音を録っています。サンプリング音だけでビートを作ることもできますし、楽曲のアクセントにも使います」

▲YouTubeで、キッチンの音をサンプリングしてビートメイクした時の様子。冷蔵庫の扉を閉める音、換気扇を付ける音などを録っている

 

■最近のお気に入りアイテム

▲(左から時計回りに)「マシーンMK3」「SMB-01」「FetHead Phantom」「NP-1」

ネイティブインストゥルメンツ「マシーンMK3」
感覚的なビートメイクができて、DTMがより楽しみに。自分好みにカラー設定できるのもテンションが上がります。

フォノン「SMB-01」
クラウドファウンディングで購入したもので、とにかく音質が好き! 重厚感があって、音が広がって聞こえます。

トリトンオーディオ「FetHead Phantom」
音を上手く拾えないというボーカル初心者あるあるを解決! 宅録でもスタジオのようなクオリティに。

ネクター「NP-1」
元々ピアノを弾くので、MIDIキーボードでピアノのサウンドを録音する時に同じ感覚で弾けて助かっています。

 

■DTMデビューアイテムガイド

DTMは機材やソフトが豊富なので、始める場合に何を買おうかと戸惑ってしまうことも。今回はジョンピーチさんが「今、自分がイチからスタートするなら」という視点でオススメをセレクトしてくれた。

 

<PC>

▼沼にハマることを想定してスペックには余裕を

作ったデータや集めた音源を保存すると、データは増える一方。SSDやHDDを使わないなら大容量ストレージを選びましょう。自宅で本気で作り込むなら、細かい作業がしやすい大画面や2画面のモニタがおすすめです!


本格的に取り組むなら、欠かせないのがPCだ。トラックが増えていくと処理効率が落ちて鈍くなるので、先を見越して最低限のスペックは押さえておこう。

<POINT>
・CPUはCorei5以上だとスムーズ
・メモリは16GB以上だと安定して使える
・大画面モニター、2画面が作業しやすい

 

<DAWソフト>

▼まずはこれさえあればOK!DTMの最重要ツール

ヤマハミュージックジャパン
「Cubase 13」(Elements:1万3200円、Artist:3万9600円、Pro:6万9300円)

体験版があるソフトも多いので、ぜひ一度お試しを。まずはエントリーモデルから始めて、グレードを上げていくのも◎。私は分からない時にネットですぐに調べられるように、トップシェアの「Cubase」を選びました(ジョンピーチさん)


ビギナーからプロまで、世界中で支持されるポピュラーなDAWソフト。グレードは3段階あり、「Elements」はお手頃で始めやすく、「Pro」はトラック数が無制限でまさにプロ仕様。どれもピュアな音質と扱いやすさは変わらない。

▲PCで楽曲を作るために必須のソフトで、楽曲制作やレコーディングなどができる。マウスでカチカチと音を乗せたり、MIDIキーボードなどと繋いで演奏したりと作り方は様々

 

<音源>

▼集め始めたら止まらない楽曲を彩るサウンド

私もお世話になっている音楽機材屋さんと音源屋さんです。楽器の音を買い足したり、アーティストのサンプル音源をダウンロードしたりしています。音源を漁るのは楽曲を豊かにするだけでなく、アイデアの発見にもなっています(ジョンピーチさん)

楽曲を作り込んでいくと、DAWソフトの中に入った音だけでは物足りなくなることが。そんな時に曲の解像度を上げてくれるのが、音源パックやサンプル音源だ。そんな音たちに出会える場所をふたつご紹介しよう。

▼ショップ「サウンドハウス」

DTM機材を取り扱うオンラインショップ。使いやすい音源がまとまったパック、ドラムやギターなど楽器単体の音源パックなど、種類は豊富。例えばドラムだけでも音の表現が様々なので、どんどん買い揃えたくなる!

▼サブスクリプション「Splice」

ロイヤリティフリー音源のサブスクリプション。ハウス、テクノなどジャンルで調べれば、サウンドがずらりと表示され、1曲からダウンロードできる。トップアーティストの限定パックもあるので、日々新着情報が見逃せない。

 

<MIDIパッド>

▼感覚的な操作でユニークな音との出会いを楽しむ

AKAI PROFESSIONAL
「MPD218」(1万1980円)

シンプルで使いやすく、お手頃なのでおすすめです。パッドが大きめで叩きやすいのもポイント。やっぱり叩いて音を作るのは気分が上がりますし、叩いて遊んでいるうちに面白いものができることも。リズムで遊びたい人はぜひ!(ジョンピーチさん)

MIDIキーボード同様に直感的に音を入れられるツール。USBで接続するだけの簡単動作が嬉しい。パッドは応答性が高く、バックライト付きで視認性も◎。さらに6つのノブと3バンク機能を搭載し、入門機には十分な1台。

 

▼ハマり出したらまずコレ!制作作業の効率アップ

AKAI PROFESSIONAL
「MPK mini MK3」(1万1980円)

効率化&音にグルーブ感を出すために持っておきたいところ。タップできればOKなのでピアノが弾けなくても十分に使えて、操作性の良いパッド付きで打ち込みもできます。まずは25鍵盤あればOK。最初に買い足すアイテムとして最適です(ジョンピーチさん)

マウスでクリックしながら音を重ねる作業をキーボードに置き換えれば、作業効率が格段にアップ。第2世代キーベッドがタッチした表現を的確に捉え、グルーブ感のある音色を楽しめる。ノブでミックスしやすいのも◎

 

<オーディオインターフェイス>

▼数十万クラスが採用するチップを搭載!高解像度のサウンドを提供

MOTU
「M2 オーディオインターフェイス」(3万2780円)

多数のソフトウェアが付属し、購入後からすぐにトラック制作ができます。さらにループやサンプル音源、いろんな楽器の音がついてくるので、お得感満載! 使い勝手の良さとオーディオ品質、両方にこだわりたい人に(ジョンピーチさん)


録音に使用するマイクや楽器の入力、モニター用スピーカーなどの出力機器を繋ぐための機器で、スペックによる違いが大きい。「M2」は出力120dBのダイナミックレンジを実現し、音の強弱や繊細なニュアンスも忠実に原音を出力する。

 

<マイク>

▼毎日持ち歩いてどこでもサンプリング

RØDE Microphones
「VideoMic Me-L」(1万2100円)

iPhoneにセットすればすぐに音が録れるので、サンプリング用によく持ち歩いています。街中でも欲しい音がクリアに録音できます。私も生活音を録って作ったビートをYouTubeで紹介したりと、日々活用しています(ジョンピーチさん)


世界のクリエーターに支持されるマイクメーカー、RØDEのiOSモバイルデバイス用の高音質マイク。声を録るのはもちろんのこと、日常でふと聞こえてきた音を録音したい時に、スピーディにサンプリングできるのが魅力。

 

■スマホ・タブレットならこのアプリ

「GarageBand」
無料で楽しめるアップル純正DAWソフトウェアで、音源とエフェクトが豊富。操作しやすいデザインで、初心者でも直感的に扱える。

「BandLab」
無料ながらもサンプル音源が多く、トレンド感のあるメロディーが揃う。アプリ内で作った楽曲をシェアできて、SNSのように楽しめる。

「Koala Sampler」
スマホのマイクで音を取り込むことができるサンプラーアプリ。自分で集めた音で曲を作れるので、より感覚的にビートメイクできる。

※2024年2月6日発売「GoodsPress」3月号22-25ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【趣味な大人のベストバイギア】

<取材・文/竹林佑子 撮影/辻嵩裕>

 

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